テニスのコーチであるティモシー・ガルウェイが「我々の内側には、想像するよりもはるかに自然で効率的に学び、ものごとを達成する能力が潜んでいる。」ことに気づき、これをわかりやすくまとめた物を「インナーゲーム」として本にしました。

 本来人間は自分が持っている能力を自然に発揮する能力を持っています。歩く、食べる、走るなどほとんどが無意識に体を動かしています。この無意識の自分を「セルフ2」と言います。

 しかしながら、人は成長する中でたくさんのことを経験し、その中には失敗や苦労も含まれています。このマイナスの経験が自己不信を生み、「セルフ2」が自然に自分の持っている能力にブレーキをかけることがあります。「失敗したらどうしよう」「どうせうまくいかない」「自分には無理だ」「~すべきだ」「~すべきでは無い」・・・

これらの自分に対してブレーキをかける思考を「セルフ1」と言います。

人間がより自然な行動で目標を達成するためには、この「セルフ2」をより強化し、「セルフ1」のブレーキを最小限にする、これがインナーゲームの考え方です。

 無意識である「セルフ2」を強化するために必要なのが「明確な目標」です。目標は無意識への唯一のアプローチです。

 次に大切なのが、観察です。新しい気づきが行動に変化をもたらしてくれます。気づきに必要なのが今までとは違う観察です。インナーゲームでは「知覚力」といいます。

 明確な目標を持ち、その目標に関係がありそうなものに対して五感を使ってしっかりと観察する。これが集中です。インナーゲームは集中の科学とも言われています。

 その上で、目標に向けてごく自然に勝手に行動してしまうのです。